聴覚の低下は高齢者の身体の変化の1つ

年齢とともに身体に変化が現れますが、聴覚の衰えもその1つに数えられます。聴覚の低下は、耳の中にある有毛細胞が減少することによって起こります。加齢による聴覚の低下は一般的に老人性難聴といいます。

聴覚の変化は、単に音が聞き取りにくくなるだけでなく、将来的な認知症に繋がると言われています。難聴の人が認知症になる確率が高いため、単なる聴覚の変化として軽視するのは禁物です。適切に対応するためにも、老人性難聴の原因や症状をチェックしておくと良いでしょう。

老人性難聴の治療法は現在確立されていません。そのためそれ以上進行させないことが大事です。聞こえない場合は補聴器をつけるなど、コミュニケーションをとれるように聴力を改善することが将来的な認知症を防ぐ対策となります。

75歳以上の7割以上が聴覚に問題を抱えているとされているため、介護をする時はそれを踏まえて対応する必要があります。聴覚に問題のある高齢者の介護をする場合は、高齢者が聞き取りやすい声のトーンで話すことが大事です。高齢者は高音が聞き取りにくいため、できるだけ低いトーンで話すのが良いでしょう。声量も同年代と話す時よりも少し大きめにし、はっきり聞き取れるように気づかいをするのが大切です。

そして、高齢者の視界から外れた場所ではなく、視界に入って話しかけることも重要です。高齢者は視界も狭まっているため、できるだけ視界の真ん中に立つのが良いでしょう。そのほか、長文ではなく短い文章で簡潔に話す方が、より理解してもらえます。ジェスチャーをつけて話すのも良いでしょう。聞こえにくいだろうと、耳元で大きな声で話すのは禁物です。